Skip to main content
クティカ・ジャータカ
547のジャータカ
281

クティカ・ジャータカ

Buddha24 AITikanipāta
音声で聴く
昔々、マгада国(マガダこく)のジェータヴァナ(祇園精舎)に、清らかな戒律を守り、穏やかな言葉遣いで人々を魅了する一人の比丘(びく)がおられた。しかし、その比丘を妬む別の比丘がおり、その比丘は、最初の比丘が夜中に起き出しては、美しい遊女(ゆうじょ)に会いに行っていると陰で噂していた。この噂を耳にされたお釈迦様は、二人の比丘の過去世(かこせ)を思い出された。 その過去世において、菩薩(ぼさつ)はヒマラヤ山脈(ひまらやさんみゃく)の静寂な庵(いおり)に住む、戒律を重んじる苦行者(くぎょうしゃ)として生きておられた。果物と根菜(こんさい)を食して修行に励み、その清らかな行いは多くの者から尊敬を集めていた。しかし、ある時、一人の若い女性が彼の庵を訪れた。彼女は美しく、菩薩の清らかな姿に心を奪われた。女性は菩薩に愛を告白し、共に暮らしたいと願った。 菩薩は、彼女の申し出を丁重に断った。修行の道を歩む者として、世俗の愛に囚われることはできないと説いたのである。しかし、女性は諦めなかった。彼女は菩薩の庵の近くに住み着き、毎日のように菩薩の姿を眺め、慕い続けた。彼女の熱意は次第に菩薩の心を揺るがし始めた。彼女の純粋な愛情に、菩薩はかすかながらも愛着を感じるようになったのである。 ある日、女性が病に倒れた。菩薩は彼女の苦しむ姿を見て、かつてないほどの深い悲しみと心配に襲われた。修行の誓いを破ることを恐れながらも、菩薩は彼女のもとに駆け寄り、献身的に看病した。女性は菩薩の愛情に触れ、満たされた思いで息を引き取った。 女性の死後、菩薩は深い後悔の念に苛まれた。愛に溺れたことへの後悔ではなく、彼女を修行の道へと導くことができなかったこと、そして彼女の純粋な愛に応えることができなかったことへの後悔であった。菩薩は、この出来事を教訓とし、さらに厳しい修行を積むことを誓った。 この物語は、欲望に溺れることの愚かさだけでなく、清らかな愛をも見失うことの悲しみをも示している。そして、真の慈悲とは、相手を正しい道へと導くことにあることを教えてくれる。

— In-Article Ad —

💡教訓

真の賢明さは、自己の利益だけでなく、他者を思いやり、助け合う心から生まれる。慈悲の心は、敵をも味方に変える力を持つ。

修行した波羅蜜: 智慧波羅蜜(知識、的確な判断)と慈悲波羅蜜(慈しみ、哀れみ、他者への親切心)

— Ad Space (728x90) —

おすすめのジャータカ物語

鳥の巣
199Dukanipāta

鳥の巣

鳥の巣 遥か昔、カピラバストゥの王国に、それはそれは美しい乙女がおりました。名はラマディーヴィ。彼女は類まれなる美貌と、慈悲深い心を持ち、王国の民から慕われておりました。ラマディーヴィは、ある時、...

💡 真の創造とは、技術だけでなく、愛情を込めることから生まれます。心を込めて行う仕事は、どのようなものであれ、尊いものとなります。

サルタワハン・ジャータカ
320Catukkanipāta

サルタワハン・ジャータカ

遠い昔、ヒマラヤ山脈の麓の広大な森に、菩薩様が過去世で象の身を得ておられた頃のお話があります。その頃、動物たちは本能に従って生きていましたが、清らかな心と徳を備えていました。 ある時、その森に王宮か...

💡 この物語は、慈悲の力が、どんなに深い罪や苦しみをも乗り越えることができることを示しています。憎しみや怒りではなく、理解と許しをもって他者に接することの重要性を説いています。また、真の自己犠牲と菩薩行の尊さを教えてくれます。

サーラッタジャータカ
122Ekanipāta

サーラッタジャータカ

昔々、マгада国という豊かな国がありました。そこは緑豊かな森と生命を育む川に恵まれ、人々はマハーパチャーパティー王の慈悲深い統治の下、平和に暮らしていました。しかし、その平和な国の北方に、人里離れた...

💡 感情や怒りをコントロールすることは非常に重要です。穏やかで丁寧な言葉遣いは友情と幸福をもたらしますが、激しく無礼な言葉は人間関係を破壊し、苦しみを生み出す可能性があります。

幻の蓮の花
46Ekanipāta

幻の蓮の花

幻の蓮の花 遥か昔、インドでカースト制度が厳格に分かれ、バラモン教が人々の信仰の中心となっていた時代のことです。ゴータマ・ブッダ(釈尊)は、まだ菩薩として衆生を救済するための徳を積んでおられました。...

💡 真の美しさや真理は、外見ではなく、清らかな心と深い慈悲の心によってのみ見出すことができる。また、自らの行いを通して、他者に幸福をもたらすことの尊さ。

サーランガ・ジャータカ
41Ekanipāta

サーランガ・ジャータカ

遠い昔、仏教の光がまだ届いていない時代、マガダ国ラージャグリハという栄華を極めた都がありました。人々はまだ仏陀の教えを知らず、ただ業(カルマ)の法に従って生きていました。 その頃、菩薩はサーランガと...

💡 怠らず、災害に備えることが、困難を乗り越えるために重要である。

阿志伽大菩薩(あしかだいぼさつ)の物語
66Ekanipāta

阿志伽大菩薩(あしかだいぼさつ)の物語

阿志伽大菩薩(あしかだいぼさつ)の物語 遠い昔、バラモン教が栄え、多くの人々が修行に励んでいた時代のこと。ヒマラヤ山脈の麓に、アショカという名の賢く、そして慈悲深い王が治める国がありました。王は民を...

💡 友人を選ぶことは非常に重要です。真の友とは、常に誠実で、正直で、私たちを願う者です。悪人やずる賢い人と付き合うことは、困難と災難をもたらします。

— Multiplex Ad —